遺産分割の判例変更
預貯金の遺産分割について2つの記事を。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6224600
遺産分割について、預貯金が対象となるニュースです。
これでどう変わったのかについて、こう書かれています。
"
亡くなった人の預貯金は「遺産分割」の対象となり、機械的な配分に縛られずに遺族同士が話し合いなどで取り分を決められるとの判断を、最高裁大法廷が19日の決定で示した。今回の判例変更で、相続はどう変わるのか。父ときょうだい2人のケースを想定してみた。
父は長男と同居し、2000万円の預金を残して病死した。遺言はなかった。長女は結婚して実家を離れたものの、もともと父から1000万円の資金援助(生前贈与)を受けていた。
長男は取り分について「自分は生前贈与を受けていないので、預金を全額相続する」と主張した。一方、長女は「自分にも預金を相続する権利がある」と譲らず、話し合いはまとまらなかった。
この場合、従来の判例に従えば、法定割合(それぞれ2分の1)に従って機械的に預金を1000万円ずつ分け合うことになる。他に遺産分割するものがない場合は生前贈与分は分け合う対象にならない。長男は預金1000万円しか得ることができないが、長女は生前贈与と預金の計2000万円を取得し、1000万円の差が生まれてしまう。
判例変更後は、預金が遺産分割の対象となるため、生前贈与を合わせた計3000万円分が遺産総額となる。取り分は法定の割合に従って1500万円ずつとなり、長男は預金1500万円、長女は生前贈与に加えて預金500万円を受け取ることが可能になる
"
つまり、
法律で決まった相続分を相続した場合には、相続人の間で不平等が生まれてしまうとき、それを考慮して財産分割の裁判ができるようになった
ということですね。
2つ目の東京新聞の記事によれば、従来の判例では、預貯金は法定相続分でしか分割できないとしていました。
その一方で、実務上では協議をする際に預貯金も分割する方法を取っています。
もっとも、協議が決裂したとき、従来の判例に従って、預貯金は法定相続分で分けられていたわけです。
相続法はなかなか勉強しない分野ですが、実生活では影響が大きい部分ですよね。